バス運転手の年収徹底調査!地域・年代・性別で給料比較

バス運転手の年収について徹底調査

バス運転手は長時間労働で給料が安い…。

という、なんとなくマイナスなイメージを持っていませんか?

このコラムでは政府の統計を元に、実際にバス運転手がどのくらいの年収をもらっているのか、手取りはいくらくらいなのか、といったお金事情を深く掘り下げてみました。

これからバス業界に就職や転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

バス運転手の平均年収(給料)は低い?高い?

バス運転手の平均年収についてのグラフ

国が行っている統計調査の「令和5年賃金構造基本統計調査(男女計)」によると、バス運転手の給料(全国平均)は次の通りです。

  • 月収:32万5,600円(残業代等手当含む)
  • 賞与:62万4,700円
  • 年収:453万1,900円(※)
  • 年収手取り目安:362万5,520円

もちろんバス運転手といっても、路線バス(民間・公営=公務員)、高速バス、貸切観光バス、幼稚園などの送迎バスなど、働き方はさまざま。すべてのバスドライバー、すべてのバス会社で同じような年収ではないので、あくまでも全体の平均としてお考え下さいね。

※年収は賃金構造基本統計調査の「きまって支給する現金給与額」×12+年間賞与その他特別給与額、手取りは年収×0.8で計算したものです。

さらに以下では詳しく場合分けして、バス運転手の給料事情を掘り下げていきます。

  1. 都道府県
  2. 企業規模
  3. 年代
  4. 男女

1.都道府県別に見る、バス運転手の年収

同統計によると、47都道府県で最もバス運転手の年収が高かったのは、東京都で約570万円。逆に最も安かったのは大分県で約283万円でした。同じバス運転手でも、およそ200万円もの差がでるのは驚きですね。

◆北海道・東北

都道府県月収年収
北海道26万9,300円340万6,500円
青森24万5,500円331万500円
岩手23万8,700円304万4,900円
宮城29万3,900円388万5,500円
秋田23万4,200円308万9,000円
山形26万7,000円352万1,000円
福島26万8,100円379万2,700円

◆関東

都道府県月収年収
茨城26万9,200円365万1,100円
栃木29万8,700円412万5,300円
群馬26万8,200円326万6,300円
埼玉33万2,100円488万5,000円
千葉33万8,000円477万4,600円
東京 ※最も高い39万6,800円570万7,000円
神奈川35万7,800円495万700円

◆中部

都道府県月収年収
新潟26万100円354万7,000円
富山31万9,400円424万1,800円
石川28万6,900円382万9,200円
福井23万4,000円301万6,500円
山梨32万700円420万9,600円
長野30万5,300円408万4,000円
岐阜33万4,100円438万6,100円
静岡26万900円349万8,700円
愛知29万9,600円392万4,900円

◆近畿

都道府県月収年収
三重35万300円489万100円
滋賀32万4,500円441万1,000円
京都36万3,800円492万1,600円
大阪30万1,100円408万9,400円
兵庫37万5,300円535万1,500円
奈良28万5,000円394万7,300円
和歌山22万1,600円294万7,200円

◆中国・四国

都道府県月収年収
鳥取25万5,800円344万9,000円
島根27万4,600円369万1,800円
岡山29万8,500円405万2,100円
広島32万900円437万6,000円
山口27万7,200円385万5,800円
徳島30万5,100円404万7,500円
香川28万2,000円378万100円
愛媛24万6,000円338万1,300円
高知24万9,200円346万3,800円

◆九州・沖縄

都道府県月収年収
福岡29万9,200円436万3,900円
佐賀26万8,500円365万2,200円
長崎23万3,100円353万9,000円
熊本22万5,100円289万5,400円
大分 ※最も安い21万3,600円283万2,100円
宮崎21万円290万2,000円
鹿児島25万6,400円340万5,300円
沖縄24万9,900円317万700円

表を見てわかる通り、地方のほうが給料が安いですが、当然物価も違います。実質賃金を考えると、額面を単純比較したほどの差は出ないかもしれませんね。

2.企業規模で異なる年収

従業員数月収賞与年収
1,000人以上37万1,900円93万6,000円539万8,800円
100-999人30万6,000円48万9,900円416万1,900円
10-99人27万4,200円28万6,700円357万7,100円

企業規模で比較すると、やはり従業員数の多い大規模バス会社のほうが年収は高いようです。月収にも差は出ますが、大きいのは賞与。99人以下と1,000人以上の会社では、およそ65万円もの差に!また規模の大きな会社だと、各種手当や福利厚生が充実していることも多いです。

とはいえ大企業が良くて、中小企業はおすすめしない、といったことではありません。規模の小さなバス会社はアットホームな雰囲気で風通しが良いなど、給与だけではない魅力もたくさんありますよ。

いずれにしてもバス会社によって、年収や待遇に大きな差がでてきます。就職・転職の際は企業比較をしっかりと行いましょう。

3.年代別の年収は、長く勤めるほど上がる傾向

年代ごとにバス運転手の給料を見てみると、基本的には年齢が上がるほど(経験を詰むほど)額は増えていき、50代でピークを迎えます。

年代月収賞与年収
19歳以下17万5,700円22万円232万8,400円
20-24歳30万7,900円42万8,200円412万3,000円
25-29歳31万6,300円59万5,900円439万1,500円
30-34歳29万7,400円60万2,300円417万1,100円
35-39歳32万4,700円66万3,700円456万100円
40-44歳33万4,000円70万6,500円471万4,500円
45-49歳35万2,200円77万8,800円500万5,200円
50-54歳 ※最も高い35万4,300円77万6,600円502万8,200円
55-59歳35万4,500円73万3,700円498万7,700円
60-64歳29万5,400円43万4,900円397万9,700円
65-69歳22万5,500円14万9,500円285万5,500円
70歳以上21万5,200円7万6,200円265万8,600円

多くの企業が採用する定年退職年齢60歳を超えると、だんだん給料が下がり、特に賞与の下がり幅が大きいことが分かります。

定年後も再雇用で働き続けられる企業が多いですが、役職を降りたり、雇用形態が変わったりすることが影響していると考えられます。

4.女性バス運転手の給料は安い…

性別月収賞与年収
32万7,500円63万1,100円456万1,100円
25万9,700円40万7,300円352万3,700円

バス運転手の年収は、男女でおよそ100万円もの差があることが分かりました。

同じ「令和5年賃金構造基本統計調査(男女計)」によると、男性バス運転手は全国で1万3,700人ほど。対して女性はたったの3,080人でした。

人数が違いすぎるので単純比較はできませんが、残念ながらバス運転手における男女の年収格差はまだまだ大きいのが現状です。

もちろん女性を積極採用しているバス会社もあります。そのような企業では性別に関係なく、同等の待遇が期待できますので、ご安心くださいね。

業界比較!運転手の年収ランキング

業界比較!運転手の年収ランキング

同じドライバー職や、他の業界で働く人と比べて、バス運転手の給料は高いのでしょうか、それとも低いのでしょうか。こちらも同じ統計で調べてみました。

運転手の種類年収
トラック運転手(大型)486万7,300円
バス運転手453万1,900円
トラック運転手(大型以外)440万1,700円
タクシー運転手420万800円
乗用自動車運転者340万6,300円

他のドライバーに比べると、バス運転手の給料ランキングは第2位!悪くありませんね。ちなみに乗用自動車運転者とは、会社役員付きの運転手などのことです。

月収はどのドライバーもあまり変わりませんでしたが、バス運転手はほかと比べると賞与が多いようです。夏と冬にボーナスとしてまとまったお金が手に入れば、貯蓄や娯楽費などに回せるのでありがたいですね。

職種年収
小・中学校教員660万6,000円
営業職(金融系)636万5,900円
一般事務478万2,900円
バス運転手453万1,900円
警備員376万1,000円

ドライバー以外の職種と比べると、このような結果がでました。

職種はイメージしやすいものを編集部が厳選したので他にもたくさんありますが、バス運転手の年収は他業種に比べてやや低め。

ただ年代別に見てみると、実は若い世代の年収は、教員や営業、事務職よりもバス運転手のほうが高いんです!バス運転手は20代のうちから責任ある仕事を任せてもらえるので、その分しっかりとお給料がでますし、やりがいも大きいですよ。

今昔比較!バス運転手の年収の推移

バス運転手の年収の推移のグラフ

上図は、過去10年間(平成26年~令和5年)のバス運転手の年収推移です(賃金構造基本統計調査を元にグラフを作成)。

令和2~4年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、バス運転手の年収もガクッと下がっていますが、令和5年には復活しています。コロナ渦は異例と考えると、バス運転手の年収は450万円前後で推移していることが分かりますね。

では今後、バス運転手のお給料は上がるのでしょうか?いきなり急上昇することは考えにくいですが、いわゆる「2024年問題」による人手不足の解決策として、給料アップ・好待遇の求人を掲げるバス会社も出てくるかもしれません。

2024年問題の影響で給料カット?今後は上がるかも?

従業員の労働環境改善のための「働き方改革関連法」により、2024年4月からバス業界も、運転手の労働時間等に関する規制が始まりました。時間外労働(残業)の上限が厳しく制限されるなどしたため、過重労働・長時間労働が改善され、バス運転手は働きやすくなったことでしょう。

ところが残量時間が減ると、その分の時間外手当も付かなくなります。たくさん働いて、たくさん稼いでいた人は、2024年の規制によって給料が減る可能性があるのです。

また、ただでさえ運転手不足なのに1人当たりの勤務時間が減ると、これまでバス会社が旅行会社などから受注していた量の仕事がこなせなくなり、売上に影響が出る可能性が考えられます。そうすると、バス運転手の賞与額も減ってしまうかもしれません。

バス会社としては人材確保が大きな課題であり、そのために給与等を見直す動きも出てくるでしょう。今後はインバウンド客の増加から、観光貸切バスの需要は増えることが予想されますし、路線バスも地域の足として無くてはならない存在です。人材確保の解決策として、給料を含めた待遇の見直しを行うバス会社が増えていくかもしれませんね。

※本記事内のバス運転手給与の出典:政府統計の総合窓口(e-Stat) 賃金構造基本統計調査