バス運転手徹底紹介!〜観光バス運転手編〜

観光バス運転手徹底紹介記事です。

決まったルートを走る路線バスや、都市間を繋ぐ高速バス。「バス運転手」といっても、その種類や役割は様々です。その中でも、お客様の旅をサポートするのが「観光バス運転手」です。

今回は、観光バス運転手ならではの魅力や、リアルな1日の流れ、そして最新の給与事情まで徹底解説していきます。

観光バス運転手とは?特徴と魅力

観光バス運転手の特徴と魅力について解説。

観光バス運転手の最大の特徴は「毎日違うルートを運転する」ことです。

観光バス運転手にはどのような醍醐味があるのか、主な魅力を見ていきましょう。

・全国の観光地に行ける 

仕事を通じて、日本全国各地の観光名所を訪れ、その土地ならではの名物も食べることができます。

・お客さんからの感謝を直接受け取れる

 お客さんと数日間をともにするツアーなどでは、「運転ありがとうございました!」と直接声をかけてもらえる、やりがいのある職業です。運転手さんの中には感謝の手紙をもらう人もいます。

・大型車の運転技術が身に付く

 巨大な車にお客さんを乗せて運転する技術は、ドライバーの中でも最高峰のスキルです。

全国の観光地に行くと言っても、具体的にどんな準備をして、何時に仕事が終わるのかイメージしにくいですよね。次は、ある日の動きを時系列で追いながら、現場のリアルを確認してみましょう。

観光バス運転手の1日のスケジュール

観光バス運転手の1日のスケジュールについて解説

バス運転手の仕事は、ただ運転をするだけではありません。運転前には車両点検や清掃、道路状況の確認など様々な業務があります。実際に、出勤から退勤までどのような流れで進んでいるのか見ていきましょう。

【日帰りツアーの1日スケジュール】

6:00 出勤
6:05 点呼・アルコールチェック
6:10 車点検
6:20 業務の確認
6:30 出庫
7:40 お客様をお迎え
9:30 マザー牧場着
11:00 お昼休憩
13:00 いちご農園着
17:00 解散
17:40 入庫
17:50 清掃
18:20 明日の業務確認
18:30 終業点呼

【一泊二日の運行スケジュール】

<1日目>
6:00 出勤
6:10 アルコールチェック
6:15 車点検
6:30 業務の確認
6:50 点呼
7:00 出庫
7:30 お客様をお迎え
9:30 観光スポット案内
11:00 お昼休憩
13:00 観光スポット案内その2
17:00 ホテル着
17:20 車両点検
18:00 業務終了報告

<2日目>
7:00  点呼・アルコールチェック 
9:00 ホテル出発
11:00 観光地着
15:00 帰路へ
18:00 解散
19:00 入庫・終業点呼

バス運転手の労働時間

バス運転手の労働時間について解説

1日のスケジュールをみて、これだけ見ると観光バス運転手は「拘束時間が長くて大変そう…」と感じるかもしれませんが、実はドライバーの安全と健康を守るために、現在は非常に厳格なルールが定められています。

続いては、2024年から新しくなった「労働時間の新基準」について、見ていきます。

2024年に改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)の見直しがされ、労働時間等が厳しく規制されました。

【改善前】

拘束時間:1日13時間以内(上限16時間)

運転時間:2日平均、1日あたり9時間以内
休憩時間:8時間以上

残業時間:年960時間以内(月80時間以内)

【改善後】
拘束時間:1日13時間以内(上限15時間)

運転時間:2日平均、1日あたり9時間以内
休憩時間:11時間以上(最低9時間以上)

残業時間:月45時間まで

一番の変更点は「休息時間」です。改善前は退勤してから次の乗務まで8時間空ければOKでしたが、「11時間空けるのが基本(最低でも9時間)」となりました。また、最大拘束時間

が1時間短くなったことも大きな変更です。

バス運転手の労働時間について詳しく書かれた記事はこちらから!

1日の仕事の様子はイメージできましたか? バス運転手は、文字通りバスの運転をする仕事なのですが、接客業の側面を持つことが大事なポイントです。

観光バス運転手の服装と持ち物

観光バス運転手の服装と持ち物についてです。

運転のプロとしてお客様の前に立つ以上、まず身だしなみを整えることが信頼への第一歩となります。観光バス運転手の服装と身だしなみについて見ていきましょう。

観光バス運転手の服装は、会社によって異なりますが、制服支給や服装指定があることが多いです。バス運転手の基本的な服装と持ち物は以下の通りです。

【服装】

・制服orYシャツ・スラックス

・白手袋

・革靴orドライバーサンダル

【持ち物】

・サングラス

・紙の地図 

運転手さんによって手袋着用有無、履く靴の種類などが違ってきます。また、無精髭やシャツがシワシワなどはNGで、身だしなみに気をつける必要があります。

ネットニュースで、サングラスの着用は印象が悪い!との声もありましたが、強い日差しや、路面からの反射光による眩しさを軽減し、安全運転につながることから積極的に取り入れているバス会社が増えています。

紙の地図は、運行中に他の運転手さんやバスガイドさんと集まって道を確認するために携帯しているそうです。カーナビがついた今でも重宝しているそうです。

こちらの記事では観光バス運転手さんに必需品について聞いています。ぜひ、ご一読ください。
バス運転手の服装は?必需品について聞いてみた!

観光バス運転手に向いているのはどんな人?

観光バス運転手に向いている人を解説!

「観光バス運転手に興味があるけど、自分にできるだろうか」と思う方もいるかもしれません。観光バス運転手に向いている人はどんな人か見ていきましょう。

・サービス精神があり、人の喜ぶ顔が見たい人
同じお客様と数日間を共にすることもある観光バス。長時間を共にするからこそ、お客様への気遣いが必要になります。

・臨機応変に対応できる人

毎日ルートが変わるだけでなく、渋滞による行程変更や急な悪天候など、現場では予想外のことが起きるため、柔軟性のある人は向いています。

・自己管理がしっかりできる人

観光バスは早朝の出勤や泊まり勤務など、生活リズムが不規則になりがちです。自身の体調を整えることは重要です。

・他者と円滑なコミュニケーションが取れる人

観光バスでは、自分で運転するだけでなく、バスガイドさんや旅行会社の添乗員さんと協力する場面も多いです。初めて会う添乗員さんとも、うまく連携する能力も必要になります。

こちらの記事でより詳しくバス運転手に向いている人について解説していますので、合わせて読んでおきましょう。

バス運転手に向いているのはどんな人?未経験でもなれるの?

バス運転手の気になる給与事情

バス運転手の給与について解説

観光バス運転手を目指す際は、やはり気になるのはお金のこと。観光バスのみの賃金データは統計がとられていないので、バス運転手全体の賃金データを見ていきましょう。

厚労省が行っている統計調査「令和6年賃金構造基本統計調査(男女計)」によると、バス運転手の給料(全国平均は)は以下の通りです。

 月収:33万500円(残業代等の手当込み)

 賞与:64万5,300円

 年収:461万1,300円

あくまでも全国での平均年収ですので、参考程度にしておいてくださいね。

都道府県別、会社規模別、年齢別などの詳しい月収については、こちらの記事で詳細を解説しています。

バス運転手の年収徹底調査!地域・年代・性別で給料比較

観光バス運転手にはこんな手当が!

観光バス運転手は、他のバス運転手と異なり泊まりの業務をするため、特有の手当が付きます。

・宿泊手当:宿泊を伴う運行で支給される手当です。

・キロ手当:走行距離によって支給される手当です。会社ごとに1kmあたり5円〜10円など設定されています。

・食事手当:食事代を現金支給の他、お客さんと同じ食事がでる場合があります。・無事故手当:決められた期間無事故だった場合にでる報奨金運転手の評価制度のようなものです。

このように、手当の種類が豊富なのも観光バス運転手の魅力です。

観光バス運転手になるにはどうしたらいいの?

観光バス運転手になるためにはどうしたらいいか解説しています。

観光バス運転手になるには大型二種免許が必須です。また「観光バス運転手になるには実務経験が必要では?」と思われがちですが、多くのバス会社が「未経験者」を積極的に採用しています。未経験者の方には免許取得制度を整えて、会社負担で大型二種免許を取らせてくれる会社もあるんですよ。

観光バス運転手に必要な免許

観光バス運転手になるためには第二種大型免許(正式名称:大型自動車第二種運転免許)が必要になります。この免許は、自動車教習所に通うか、免許センターで一発試験に合格することで取得が可能です。大型二種免許を取得できる教習所は限られているので、調べておきましょう。

取得の条件は以下の通りです。

  • 21歳以上(※)
  • 大型、中型、準中型、普通、大型特殊免許のいずれかの免許の所持が、通算3年以上(※)
  • 上記の免許、または他の第二種免許を持っている
  • 視力:両目で0.8以上かつ、片目それぞれ0.5以上(メガネやコンタクトも可)
    深視力:3回検査の平均誤差が2cm以下
  • 色彩識別能力:赤・青・黄の識別ができる
  • 聴力:10mの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる(両耳)

通常教習に加えて特別な教習を修了することで、19歳以上で普通免許の保有期間が1年以上あれば、大型二種免許の受験が可能になりました。

免許取得にかかる費用

教習所に通う場合、大型自動車第二種運転免許の取得費用は約40~60万円です。普通免許から取得する場合は、全部で90万円はかかると考えておきましょう。

バス会社によっては、大型自動車第二種運転免許の取得費用を負担する制度(免許取得制度)を設けています。またハローワークがキャリアアップと再就職の支援として、教習費用の40%(上限20万円)を給付する制度も整えています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

バス運転手になるためにはどの免許が必要?費用や時間はどれくらいかかる?

免許を取得してから、観光バス運転手になるまで

大型二種免許を取得すれば、すぐに一人でお客様を乗せて観光地へ…というわけではありません。観光バスは大切なお客様の命をお預かりし、かつ特殊なルートを走ることも多いため、独り立ちまでには手厚い研修期間が設けられています。

以下は、研修の一例です。

・初任運転者研修(法定研修): 法令で定められた「初任研修」からスタートします。安全運転の基礎知識を学ぶ座学と、指導員が同乗して行う実技指導が義務付けられています。

・実地研修

 ・ルート研修: 実際にツアーで通る難所や観光地の駐車場を事前に走行します。

 ・雪山研修: 冬場の運行に備え、雪道でのチェーン脱着や安全な走行方法の指導を行います。

 ・山岳研修: 観光地特有の急勾配や急カーブが続く山道でのブレーキ操作などを訓練します。

 ・マナー研修:接客・マナー・連携研修 観光のプロとして、お客様への挨拶や荷物の積み下ろし、バスガイドさんや添乗員さんとの連携方法なども学びます。

こうした充実した研修を経て、社内の「見極め試験」に合格して、プロの観光バス運転手としてデビューとなります。多くの会社では、未経験から始めても3〜6ヶ月ほどかけてじっくり育ててくれるので、自信を持ってハンドルを握れるようになりますよ。

今回は、観光バス運転手の仕事の魅力から、1日のスケジュール、給与事情など詳しく紹介してきました。

未経験の方でも免許取得制度を利用して、観光バス運転手を目指せるので、ぜひチャレンジしてくださいね。

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観光バス運転手Q&A

観光バス運転手についてのQ&A!よくある質問を載せています。

Qお客さんからどんなお土産をもらったことありますか?

野菜、おにぎり、肉まんなど様々な種類の差し入れをお客さんからいただくことがあります。

Qバス運転手をやっていて嬉しかったことはなんですか?

お客さんからありがとうと言われるのは嬉しいですね。あとは「いつも酔うのに、今回は酔わなかった」「運転上手だね」など技術面で褒められると運転手よかったなと思います。

Qお客さんの落とし物で多い物はなんですか?

スマホやイヤホン、傘などの落とし物が多いです。

食事で気をつけていることはありますか?

運行時にアルコールチェックを行うため、前日はアルコールを控えています。当日の朝も蒸しパンなどお酒で蒸された物は控えるようにしています。

Q運行中のお昼ご飯はどうしていますか?

基本的にサービスエリアを利用するか、コンビニで買って食べています。運行によりますが、お客様とご一緒にする場合もあります。

Q運転中にトイレにいきたくなったらどうすればいいですか?

運行にトイレ休憩が含まれているため、心配ありません。ですがどうしても運転中にいきたくなった場合は、次の休憩まで我慢するかトイレがある場所に停車する。

Qバス運転手の労働時間は長いと聞きましたが本当ですか?

バス運転手の労働時間については法整備がされ、働きやすい環境が整えられました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
誰でも分かる!バス運転手の労働時間(勤務時間)

Q観光バス運転手ってカッコいいですかね…?

観光バス運転手はドライバー界の中でも最高峰の技術を持った精鋭達です。大きな車体を操る姿は子供達の憧れですよ。

未経験でもなれる!観光バス運転手を目指しませんか?

「運転が好き」「旅行が好き」「人と接することが好き」という方は、今こそ観光バス運転手を目指しませんか?

全国を回れる、飽きることのない職業
仕事を通して、全国各地を訪れ、その土地ならではの物を食べることができます。

・法改正により、働きやすい環境に
2024年の法改正により、バス運転手の労働時間が改善されました。「バス運転手は長時間労働!」は過去のもの、働きやすい環境が作られました。

未経験からのスタートを全力応援
免許取得のバックアップや充実した実地研修など、ゼロから一流を育てる準備はどの会社も万全です。

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この記事を書いた人
バス運転手の達人 編集部

バス業界に関わる情報を専門的に扱う編集部です。現役運転手・バス会社・キャリア支援の専門家など、複数の視点をもとに記事を企画・編集し、働き方や制度を中立的に分かりやすく伝えることを心がけています。運転手さん自身が納得して判断できる情報提供を目指しています。